新規NRTI(核酸系逆転写酵素阻害薬)イスラトラビルの開発が順調らしい件
ツルバダの成分のTDF(テノフォビル)とか、デシコビに入っているTAFとか、エプジコムに入っているABC(アバカビル)の後継と期待されているのが、ヤマサ醤油が開発したイスラトラビル(EFdA)です。
TDFやABCは副作用があって、服薬が困難な人も少なくないわけですが、代替となるNRTIはいまのところ存在しません。そのため、他のグループの薬を組み合わせしてなんとか治療を継続していたり、副作用をガマンしている人も多いと思います。自分もABCの副作用でつらいのですが、がんばってエプジコムの服用を続けています。そういう人たちの代替になりうるのが、このEFdAだと思っていて、数年前から着目していました。このたび臨床試験が進んで、来年にも発売されるのではないか、というところまでこぎつけてきました。
※特徴
- 効果が強く、長時間持続する
すでに埋め込み式徐放型製剤でPRePの試験が行われていて、よい結果が出ています。経口服用だと50mgで1週間以上有効な細胞内濃度を維持するという試験結果もあるようです。1日1回服用だと1錠あたり5mgくらいになるかもしれないですね。 - 耐性ウイルスができない(?)
これは自分の知識ではよくわからないのですが、「既存のNRTIとは構造が違うので、既存の薬のようなタイプの耐性化は起きない」ということではないかと理解しています。(いくらなんでもまったく耐性ウイルスが発生しないとは思えません) - そんなわけで、既存NRTIの耐性ウイルスに対しても問題なく効く。
- B型肝炎ウイルスに対しては効果がない。
多くのNRTIはB型肝炎ウイルスに対しても効果があって治療薬になっていますが、EFdAは効果がありません。明確に違うんですね。 - ミトコンドリア障害による副作用が低い。
これは動物実験では認められているようですが、ヒトに対してはどうかは調べていないのでわかりません。
日本メーカー発のHIV薬ですし、従来のNRTIの問題点が解決されているので、無事に発売されることを願います。