HIV感染者によるHIV関連情報 - ART Space

2011年からART (Anti-Retroviral Therapy) を受けているHIV+男子が気まぐれにHIV関連情報を更新します。

ART 7年目突入の件

今日でARTを始めてから6年が経過して、7年目に突入です。

CD4は更に増えて、600超という値も出てくるようになりました。主治医が安心しているのが、態度からありありと伝わってきます。

自分は副作用のリポアトロフィがけっこう強くて、筋力が低下しやすいのでどうにかならんものかと思案中です。CD4が増えたので、多少強度の高い運動をやっても大丈夫という話もあり、筋トレなぞを始めてみようかと思っている次第。ポテ腹を解消してモテ筋を目指します!

花粉症がひどいです

HIVネタがないので、花粉症ネタを投下します。

HIVで低下する免疫と、花粉症の免疫は違うので、HIVに感染したからと言って花粉症が軽快するはずもなく、今年も花粉症に悩まされています。

以上です。(これで終わりかい!)

このブログを始める前、つまり感染発覚直後にもHIVブログをやっていたんですけど、ネタが尽きてやめたんですよね。世の中には長い間HIVブログやっておられる方がいますが、よく続くなあって感心します。もっとも、HIVネタ1%その他99%という人も、少なくないような気がします。そのくらい、治療や病状が安定すると何も書くことがなくなってしまう病気ですね。

ゆっくり増え続けるCD4の件

お久しぶりです。

深刻なネタ不足で更新ストップ状態ですが、昨年、ART開始後はじめてCD4が500を超えたのでご報告をします。

【CD4ってなに?】
CD4はリンパ球の一種で、体内の免疫の指揮をします。これが少なくなると、指揮者がいなくなるので、免疫が働かなくなってしまいます。HIVはこのCD4細胞に感染、増殖して、殺してしまいます。これがHIV感染症の主な病態で、ARTでHIVの増殖を止めればCD4細胞は徐々に復活してきます。

【CD4の適正量】
CD4は、とりあえず200個/μリットル以上あれば、重い日和見感染症は起きないと言われています。なのでこの数値が一つの目安になりますが、長期的な予後を考えるとやっぱり500以上はあったほうがいいらしいです。ただ、ART開始時点からCD4は300くらいしか増えないのが一般的らしく、自分も一昨年に300を超えてから「そろそろ頭打ちだろうな」と思っていたんです。ところが去年は500超を連発しまして、ちょっと驚いている次第です。*1
ちなみにART開始前のCD4は20くらいで、抗菌剤を服用していたので感染症は問題なかったもののウィルス量が多く消耗する日々で、徐々に身体が死んでいくのがわかりました。(怖い病気ですね)

【CD4と体調の関係】
ART開始後、急速に体内のHIVが減って一気に体調が良くなったのですが、CD4が500を超えると、さらに体調が良くなることがわかりました。疲れを感じにくくなったり(日和見感染症を起こさない限り、HIV感染症は疲労感が主症状だと思います)、治療をしてもなかなか治らなかった爪水虫が治っていったり、かぜをひきにくくなりました。

【CD4を減らさないために】
昨年あたりから、HIV感染後早期にARTを開始することが推奨されるようになりました。CD4が減っている期間が長いほど予後が悪いことと、いったんCD4が枯渇するほど病気が進行するとARTで回復するのに長い時間がかかること(私は500台に回復するのに5年近くかかっています)が要因にあります。
実際問題として、私と同じくらいCD4が減ってからARTを開始した場合の5年生存率は、9割を切ります(つまり1割以上の人が何らかの原因で亡くなっている)。特に悪性リンパ腫など効果的な治療法がないAIDS関連疾患を発症した場合は、早期に亡くなることが少なくありません。いずれにしても、健常者とは比べ物にならないリスクを抱えているわけです。早期に治療開始することで、第三者への感染を防ぎつつ、QOLを長く維持することができますので、心配のあるかたはぜひともHIVの検査を受けていただきたいと思います。

*1:いろいろな報告を見ると、500以上増えている人も珍しくないもよう

【予告】保険のこと書きます

HIVに感染してるけど、生命保険・医療保険が入れるのか?

という質問をあちこちで見ますが「場合による」とか「約款しだい」という回答だらけでいささか苛立っていたのです。最近、自分自身の保険契約を見なおし中でして、保険のことがいろいろわかってきましたので、まとめて書こうと思います。

なぜわざわざ予告したのかというと、こうして告知することでサボらないように自分自身を戒める効果を期待しているのですw

ツルバダ新薬(新配合)の件

ツルバダ(TDF/FTC配合錠)の、TDF(テノホビルジソプロキシルフマル酸塩)が、副作用が少ない新薬のTAF(テノホビルアラフェナミド)に置き換えられた新薬が臨床試験中のようです。TDFは、腎障害などの副作用が問題になっている成分です。

以前も書きましたが、テノホビルはHIV患者だけでなくB型肝炎患者にも広く使われているので、より少量で、副作用の少ない新薬は大いなる恩恵ですね。

TDFもTAFも基本的な薬効を発揮する部分の化学構造は同じで、付随するパーツの構造が変わっただけの薬です。ちょっと化学構造を変えただけで毒性が出たり、なくなったりということは決して珍しくないことだとは思いますが、TAFはTDFの10倍も効果が強くなったということで、ちょっと驚いています。それと同時に、TDFって実はあまり効いてなかったのね、って思いました。
効果が10倍になれば、飲む量は10分の1でよくなります。新しい成分のツルバダは、錠剤のサイズが1まわり小さくなりそうですね。

 

ということで、久しぶりのエントリーでした。
取り立てて新しいニュースもないし、自分も大きく変わったことがなく、深刻なネタ不足ですw